採用職人の清田です。
今回のご質問は、
「新入社員の叱り方、褒め方を教えてください」
というものです。
なるほど!
叱り方と褒め方についてですね。
ちょっとこの質問に対しましては、
前代未聞の、質問に答えないという
方式で進めさせていただきます。
なぜか?
それは、
叱るとか、褒めるとか、
しなくてもいいんじゃないですか?
という提案です。
さぁ、質問者様は、
どうして叱ったり、褒めたりしたいの
でしょうね?
単純に叱りたい
単純に褒めたい
その行為をしたい
ってことはきっとないですよね。
何かの目的のために、
叱るという道具
褒めるという道具
を使いたい。
そして、慣れていない素材が目の前に
現れたので、目の前の素材に対して、
道具の上手な使い方を知りたい。
そういうことなのだと思います。
叱るの目的は何ですか?
それは、してほしくない行動を
消していきたい時ですね。
褒めるの目的は何ですか?
それは、してほしい行動を
もっとしてほしい時ですね。
これって、
コントロールじゃないですか?
人ってですね、
人からコントロールされたくない
という本能を持っています。
そのため、
電気屋さんに行って
パソコンが欲しいなぁと
見ていても、
店員さんに
買わされたくないのですよね。
自分がこれを買ったんだ
となりたいのですよね。
叱ると褒めるは、
究極的には、上の立場の人間が、
下の立場の人間を評価して
コントロールしている
に他ならないのですよね。
あっ、勘違いを生んでしまったかも
しれません。
心の底から
「すごーい!!!」
と感嘆するのは褒めるではないですからね。
これは
驚いているのです。
喜んでいるのです。
じゃあ、叱ると褒めるをしないとしましょう。
新入社員が、
とって欲しくない行動を取っていたら、
どうしたらいいでしょうか?
普段ならば叱るところです。
「それやめたほうがいいよ。」
はい、これは提案ですね。
組織に長くいるから、
組織のことを良く知っている立場の人が、
組織のことをまだあまり知らない人に、
教えてあげるのです。
「この組織では、その行動はよくないと
されている行動なのだ。」
それを教えてあげられたらいいですよね。
理想的には、
既にその辺りが評価制度に組み込まれていることです。
「あなたが、その行動を取っていると、
あなたはこの評価制度の中で高い点数を
取れなくなってしまう。
あなたが高い点数を得て、高い報酬を
得られるためにいいこと教えてあげるよ。」
このスタンスです。
ただ、評価制度が曖昧であり、
上司の気持ち一つで叱ったり褒めたり
というダブルスタンダードがまかり通って
いる組織でいきなり叱るから提案になったら
気持ち悪いだけです。
状況を整えるのが先決と言えます。
でも、提案になると、
叱るという行為をしなくても
目的を果たすことができちゃいますよね。
では、褒めるの方はどうでしょうか?
「えっ?褒めるのの何がいけないの?」
そんな疑問を当たり前のように
持たれる人が多いのだろうなぁと思います。
じゃあ何のために褒めるんでしょうか?
ある称賛されるべき行動を取った人に、
繰り返しその行動を取り続けてもらうために、
褒美として「褒め」を使うということですよね。
最初に言いました。
そう、
喜んであげたらいいのです。
驚いてあげたらいいのです。
尊敬してあげたらいいのです。
そりゃ、
社歴20年という人は、
新入社員が、新入社員の時に
立ちはだかる壁を乗り越えたとて、
「そんなの当たり前じゃん」
と思ってしまうかもしれません。
もちろん絶対的なスキルとしては
当たり前かもしれません。
でも、成長を喜んで上げることは
できますよね。
ただ、それだけで行動の加速は置きません。
行動の加速をしたいと思ってもらうような
投げかけをするのです。
「すごいじゃん!もうできるようになったの?」
「えっ?じゃあもしかして、これチャレンジしちゃう?」
と次のチャレンジングな目標に向かう
機会をプレゼントしたらいいですよね。
自分ができた!と思っている時ですから、
多少なりとも調子に乗っています。
自分の成長を喜んでいるかもしれません。
その時に、次のステージにチャレンジできるって
それは報酬ですよね。
スーパーマリオをプレイしていて、
ずっとクリアできなかったステージを
クリアできた!!!
となったら、同じステージをもう一度
クリアして確かなものにしたいとも
思うかもしれませんけれど、
次のステージはどんななんだ?
と自然に思いますよね。
人は元来成長したい生き物なのです。
劣等感というものがあり、
この劣等感があるからこそ、
人は、言葉を発し、起き上がり、
這いまわり、立ち上がり、歩き、
そして走り、跳び始めるのです。
「あぁ!なんで大人はあんなことできるのに、
自分はこんなこともできないんだ!」
という強い劣等感があり、
それをバネに成長のガソリンになるのです。
そうやって人は成長してきたのです。
だから、別に褒めなくても、劣等感からの
脱却という願望があるわけですから、
素直に、次のステージへのいざないを
してあげたらいいんじゃないかなと
思うわけです。
これは今の世代に限らず、
全世代の人間に対して有効なアプローチだと
思っております。
これで終わりかと思いきや、
その素晴らしきリーダーシップを取るために、
必要なことがあります。
それは、
この関わりができる教育者は、
かなりの人格を持ち合わせている必要がある
ということです。
だって、腹立ちますし、
なんでそこまで自分がしてあげないと
いけないの?
こっちだってして欲しいし!
だって・・・人間だもの
という心の声に負けない人格が
求められます。
こんな風に偉そうに書いている私、
ついつい感情に振り回され叱るとか、
安易に褒めるを反射的にやってしまい、
後で反省するという段階です。
そこの克服に人生の中の
結構な時間を費やすことになっても、
身に付ける価値はある力だと
思っていますけどね。
これが素でできるようになったら、
それはそれは多くの人と豊かな
人間関係を、自分発信で築いて
いくことができるでしょう。
それはなんと素晴らしい世界なのか。
ですので、
叱ると褒めるを封印して、
提案とアドバイス、喜びと驚嘆によって
共に良い方向に歩んでいける
リーダーシップを身に付けるための
いばらの道、
歩み始めていただけたらいいなぁと
思います。
最後に、
さきほど、これは新入社員というより、
全世代の人間に対して有効とお伝えしました。
何が言いたいかと言いますと、
今の世代には、少しプラスアルファが必要
ということが言いたいのです。
今の世代は叱られ慣れていないとか
言われますけれど、
本気で叱ったら、逆に懐いてしまう
なんてことは実はよくある話ですし、
褒められると伸びると言われますけれど、
ほっとくと、すぐに怠けるような指向を
持つ人もいます。
ばりばりと自己成長にまい進する人を
目の前で見ていないので、
モデルがなく、自然とばりばり頑張るに
なっていかないのです。
じゃあ今の世代には、
叱ると褒めるを封印するだけでなく、
何をしてあげられたらいいのか?
それはかまってあげるということです。
もうね、
かまってほしいんですよ。
※ただし、イケメンでなくてもいいけど、
良好な人間関係が築けているに限る
自分がしたことを
一挙手一投足見ていて欲しいんですよ。
かわいいですよね。
忙しい時には
面倒だなぁと思ってしまう気持ちが
でてきそうになっちゃいますけどね、
でも、かわいいものですよ。
なので、
叱るとか褒めるというのをしない代わりに、
関心を持って、日頃何をしているのか、
どんなことを考えているのか、
何を嬉しいと思って、何を嫌だなと思っているのか、
SNSが発達してオンラインの人間関係が
増えてきた今日この頃なので、
リアルなベタベタした直接な
人間関係に渇きがあったりするものです。
今の世代には、
関心を持って関わる
これがすごく大事なことです。
最後までお読みいただきありがとうございました。