採用職人の知恵袋

新卒採用と、中途採用のメリット、デメリットを教えてください

採用職人の清田です。

今回の質問は「新卒採用と、中途採用のメリット、デメリットを教えてください」というものです。

この質問は、

これまで中途採用しか力を入れてこなかった

企業様から受けることが多い質問ですね。

ただ、新卒採用、中途採用、

どちらもされている企業の採用担当者の方や、

経営者の方に質問しても、

「えーっとねぇ・・・」

と少し考え込んでしまわれることが

多いので、日ごろから違いをそんなに意識

されていない方が多いものなのだと理解

しています。

メリット、デメリットを考える前に、

違いについて考えてみたいですよね。

■時期

新卒採用は、株式会社リクルートが

創り上げた日本独自の制度と言えます。

時代によって時期の変動はありますが、

最近では毎年3月くらいになると、

就活が活況を帯び始め、約1年後の4月に

新入社員は一斉に入社をするという

動きがあります。

経営者としては、

毎年同じ時期にまとまって入社してくれると、

人員計画が立てやすいということと、

一斉研修にするなど教育コストを抑える

ことができるというメリットがあり一方で、

期の途中で人員補充をしたいと思っても、

そこの融通はなかなか利くものではない

というデメリットもあります。

一方中途採用は、

いつといった決まった時期はありません。

失業中の方の採用ならば、

ハローワークや有料紹介サイトで

いつでも採用することができます。

場合によっては、応募してきてくれた

求職者が翌日から入社してくれる

ということも可能です。

そのため、

人員が欲しいと思った瞬間から、

働き始めてもらえる可能性があるという

メリットがある一方で、

求職者が求職活動をしていなければ、

いくら募集を出しても人が来ないという

次期が大変読みづらいというデメリットが

あります。

■教育と文化

新卒採用は、真っ白なキャンパスと形容

されることがあるくらい、

仕事というものに対してイメージを

持ち合わせていません。

そのため、

自社の文化に染めていきやすいのは

新卒採用と言えます。

逆に言うと、社員として活躍するためには、

自社で身に付く専門的な知識や能力

といったものもありますが、

どこの会社でも必要とされるような、

社会人としての教養や、能力も

真っ白なキャンパスです。

一から社会人に育てていかなければならない

という煩わしさがあり、

この点が新卒採用が敬遠される一番の

理由となるのではないでしょうか。

一方中途採用は、

良い意味でも、悪い意味でも、

前職の文化を持ち合わせています。

前職の文化が自社に入ってきて、

プラスの効果を作ることもありますが、

「前職ではあぁだった、こうだった」

と不満の種にし、既存の社員にまで

不満を拡げる危険もはらんでいます。

そして、中途で一番求めたいのが、

すでに持ち合わせている社会人経験です。

そのため、一から教育する必要はないことが

多いです。

■費用対効果

新卒採用と中途採用の

費用対効果は大変計りづらいものだと

思います。

見もふたもない言い方をすれば、

「人による」ということだと思います。

ただ、考えておかねばならぬことがあります。

それは、

野球で言うイチローのような、

エース級の人材を中途で採るのは

非常に困難だということです。

エース級であるならば、

在職の会社が手放さないために、

待遇もポストも良いものを与えている

可能性が非常に高いです。

そのため、自然と中途市場には

出てこないため、ヘッドハンティングの

エージェントに相応の移籍金を

支払う必要がでてきてしまいます。

イチローがドラフトで球界に入った

時にはオリックスが4位指名で年棒は

430万円でした。

これが何を意味するかというと、

新卒の時であれば、

将来エース級に化ける可能性のある原石を

初任給で採用できるかもしれない

ということです。

そして、

育つまでの期間がどの程度かは、

これももちろん個人差はありますが、

他社である程度活躍していた35歳は、

自社に転職してきてから25年で定年を

向かえますが、

もし5年で新人がものになれば、

そこから定年まで33年間あります。

育てる時に、

先輩社員の時間を使うというデメリットが

あるため、ここの計算はとても難しいのですが、

人を教えることによって、先輩社員も育つ

ということを考えると、新卒採用の方が、

費用対効果が高いのでは?

と僕は考えています。

トヨタが、

新卒は採らずに中途採用に絞ると

発表がありました。

トヨタほどのブランドがあれば、

各社のエース級をぶち抜いていく

ことも可能かもしれません。

王者の闘い方です。

ひんしゅくは買うかもしれませんが、

王者の闘いができるのであれば、

費用対効果の高い中途採用が可能だと

思います。

新卒と中途は、

どうちらも併存するという選択が

多いとは思いますが、

今一度、自社にとってどちらに注力した方が

価値が高いかは考えてみてもいいのでは

ないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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