採用職人の清田です。
今日のご質問は、
「都市部と田舎での採用活動の戦略の違いについて」
というものです。
これは、
先に考えを述べておくと、
「都市部と田舎では採用活動の戦略に違いは有る。」
と考えます。
これは、
採用活動って何なのか?
ということを考えると
見えてくる部分です。
採用活動ってなんですかね?
採用活動とは、
企業側の視点ではなく、
求職者側の視点で見ると、
就職活動(求職活動)と言い換える
ことができます。
もし時代が変わり、
再び買い手市場になったならば、
今日、この記事に書いたことは、
時代遅れとなってしまいような、
売り手市場前提で記事を書いて
いきます。
売り手市場の時の就職活動は、
求職者からすると、やりやすい時期です。
買い手市場の時には、
ほとんど門戸が開かなかった
老舗ブランド企業なんかの門戸が
開きやすくなっていますし
募集人数も増えますので、
競争率も劇的に落ちます。
さぁ、あまりにも高望みをしなければ、
ある程度どこにでも就職ができる
求職者は、何を考えて就職活動を
するでしょうか?
まずはあまり考えることもなく、
人気の高い企業を狙いますよね。
ブランド企業、大企業です。
でも、全員が全員そうでしょうか?
そんなことはありません。
なぜならば、ブランド企業や大企業に
就職しなければ就職先がない
という状態ではないからです。
嗜好によって、
他の動き方をする求職者もたくさんいます。
求職者が持つ嗜好にはどんなものがありますかね?
成りあがりたい、
とにかく大きなことをしたい
という嗜好を持つ求職者がいます。
そんなに競争競争したくない
という嗜好を持つ求職者がいます。
報酬至上主義
という嗜好を持つ求職者がいます。
家族との時間を大切にしたい
という嗜好を持つ求職者がいます。
この辺の求職者の嗜好については、
採用戦略を立てるときに非常に重要に
なりますので、よく考えてみてください。
ではここから、本題である
都市部と田舎の採用活動に
話を移していきます。
質問者様の言われる都市部とは
どんなところでしょうか?
東京、大阪、名古屋、福岡
あたりでしょうかね?
複数の支社を持つ企業が、
創業地を離れて本社を設置するところ
という感じでしょうか?
こういう都市部の特徴としては、
地方から企業が集まる
すると、地方から求職者も集まる。
というものがあります。
なんで企業が集まるかというと、
そりゃ企業が集まっていて、
消費者もたくさんおりますので、
ビジネスがしやすい
ということがあります。
特に一定の規模を超えた大企業だと
官公庁とのやりとりがでてきたりします。
お上に呼ばれる度に霞が関に馳せ参じるのも
面倒となると、東京に拠点を置きたい
という気持ちもわかります。
少し話が逸れてしまいましたが、都市部というのは、
その都市にもともと住まう方たちだけで
成り立っているわけではなく、
地方都市から集まってきている人が
結構多い都市と言えます。
僕も東京に支社のある企業に
新入社員として入社しましたが、
(地元も東京でしたけど)
そこで働く人で元々地元が東京だという人の割合は
3割もいないんじゃなかったかな?と思います。
(おぼろげな記憶なので、実際の数値と乖離していたらすみません)
地方都市から都市部に就職をした方たちは、
都市部で骨をうずめるか?
というと、これもまた違う動きがあります。
地元にいる親の介護が必要になってくると、
地元に戻りたいと考える人がでてきます。
Uターンという専門用語もあるくらいです。
地元に戻りたくても、
戻れないという方たちもいます。
都市部は先ほど書いたように、
たくさんの企業が集まっているため、
「えっ?そんなニッチな仕事あるの???」
というくらい仕事が細分化していて、
多くの企業があるから成り立つけど、
企業数がそんなにいないと、
ビジネスとして成り立たない仕事
というものがたくさんあります。
そういう仕事に就いた方たちが
地元に帰ろうと思っても、
これまでのキャリアを活かせる就職先がない
ということがよくあるのです。
もちろん、
営業とか、潰しの利く職種もありますから、
ニッチな仕事をしていても、
地元に戻りやすい方もいます。
ここの文章を読みながら、
不思議に思ったりしませんでしたか?
いずれ地元に戻るのならば、
どうして初の就職先を地元にしないの?
という当然の疑問が湧いてきます。
若い時には、
夢を見るのですよね。
そして、親の介護のことを
考えている22歳なんてほとんど
いません。
つまり、都市部で働きたいと考える
地元が田舎な求職者は、
夢を描いて都市部を目指すのです。
となると、
都市部で行う採用活動の戦略も
見えてきますよね。
大切なのは仕事の規模感です。
「えーっ!そんな規模の仕事、
地元にいたら絶対に経験できないよ!」
そう思えるようなビジョンが有効です。
田舎では体験できないような、
都市部の夜の遊び方に触れてもらっても
いいでしょう。
飲みニュケーションは
車がないと話にならない田舎じゃ
そんなにできませんからね、
若手がばんばん代行サービスを使うとか
想像ができません。
ばんばん行けるのは、
ある程度の所得層か、
車を使わずに通勤ができる場所に
住んでいる人くらいです。
一方都市部では、
毛細血管のごとく鉄道が走っていますからね、
しかも終電を逃したとて、
一駅、一駅の間隔が狭いですから、
タクシーを使っても知れています。
そもそも都市部で車通勤とか、
ほとんどないのではないでしょうか?
こういう田舎で暮らしていたら、
体験できない特別な部分を押せると
採用活動はやりやすくなります。
ここからは逆に、田舎の採用活動はどのような
戦略を立てればいいか?
の解説に入っていきます。
さて、田舎の採用活動は
どのような戦略を立てればいいでしょうね?
地元の求職者を惹きつける戦略と、
都市部から引っ張ってくる戦略は別ものに
思えそうですが、意外なことに、
これは両立します。
都市部から引っ張ってくる戦略をしていると、
地元の求職者が魅了されるという現象が
起こります。
まぁ都市部から引っ張ってくる必要が全くないのに、
都市部から引っ張ってくる戦略をあえて取る必要は
ありませんので、
あくまで、地元採用と、都市部から引っ張ってくる
採用の両方を実現したい場合と考えてください。
一番の狙いは、
地元は田舎だけれども、
都市部の大学に行ったという求職者です。
ここは、
Uターン(同郷の求職者)だけでなく、
Jターン(田舎の出だけど別の県)も
狙えます。
まず、一度地元を離れた経験がある求職者は、
田舎と都市の違いを肌感覚で知っています。
知らないまま都市部に憧れる
夢見る求職者の目を覚ますのは割と困難です。
まずは都市部に行ってもらい、
夢破れたら採用しましょう。
それは置いといて、
田舎と都市の違いを肌感覚で知っている
求職者は、その感覚を言語化まではできていない
ケースが多いです。
そこで、
都市部と比べて、自分たちの田舎で働くことの
メリットを露骨な伝え方をしてはいけませんが、
匂わせるようにします。
毎日のすし詰め満員電車通勤の
バッシングなんてしたら、
すごく感じ悪く映ってしまいますからね。
他者の批判はどんな理由があっても、
自分を落とさず、他者だけを落とすことは
できないと知ってください。
・暮らしやすい
・人間らしい生活ができる
・温かい
・家族の大切さ
・生活費が安い(飲み代は馬鹿にならない)
・通勤が楽
すごく身近な感じですけどね、
この辺は、ばしばし匂わせてください。
そして、
大切なのは、田舎にいても
都市部の企業よりも下ではない
というプライドと、
その根拠を自信をもって伝える
ということです。
田舎の企業であればあるほど、
「自社に就職しなければならない理由」
を明確に伝えてあげられる必要があります。
まとめると、
都市部の企業が田舎出身の求職者を
採用しようと思ったら、
大きな夢を描かせるような採用戦略を取る
田舎の企業が地元求職者だけでなく、
都市部の大学に行った求職者を
採用しようと思ったら、
田舎暮らしの良さと、
自社に就職しなければならない理由を
が伝えられるような採用戦略を取る
となります。
ただ、田舎の企業が都市部の大学に行った
求職者を本気で狙いに行こうと思ったら、
地元の合説だけでなく、
都市部の合説に出展する必要もでてきますので、
少々おおがかりにはなるでしょう。
やってみたら経験値もたまり、
次の打つ手が見えてくるので、
まずはトライしてみることをお勧めします。