採用職人の清田です。
今回の質問は、
理念やビジョンについて解説をしていた時に、
「理想の組織ってことを考えたら、
理念やビジョンだけでは不足なんですよね。」
という僕の前振りから生まれた質問です。
理想の組織って
抽象的な言葉ですよね。
採用職人としては、
抽象的で良い部分はそれで良いですが、
こういう目標になる目指すものは、
もう少し具体化して実現までの道筋を
立てていきたいという願望があります。
僕は、理想の組織を、
「求職者から憧れられて、社員が誇りに思う組織」
と定義しています。
採用職人ですからね、
当然採用の思考は入るわけです。
でも、こんな組織ってよくないですか?
多くの人が
「いいなぁ、あの組織に入れたらどんなに
嬉しいだろうか。」
と考えて応募してくれる。
そして働いている社員は、
「いや、外からみたらそう見えるかもしれないけど、
中にいると、見たくない部分が見えるよ。。。」
なんて言わないわけです。
「絶対に辞めたくない。この組織の一員として、
日々働けていることを私は誇りに思います。」
そんな風に素で言ってくれる組織です。
ともすればファンタジーの世界に
見えるかもしれません。
現実はそんな理想論では説明できない
ことなんていくらでもあるよ。
そんな風に思ってしまわれる人も
いるかもしれませんよね。
しかし、
きれいごとを貫き通して人生の幕を閉じたい
という思考を持っているので、
実現に向けて
「求職者から憧れられて、社員が誇りに思う組織」
をもう一段階具体化していきたいと思います。
1.理念
2.ビジネスモデル
3.採用
4.教育
5.評価のしくみ
この5つがバラバラに存在しているのではなく、
一気通貫でつながっている組織は
理想の組織だなぁと思うわけです。
もう少しわかりやすく解説していきます。
まず
【1.理念】に関しては、
「理念とかビジョンとか作っている会社が多いのですが、どれだけの効果があるのですか?」
の中で解説しているので、
気になる方はそちらをご覧ください。
ビジョンは理念にくっついていると思ってください。
理念という
目指すべき大目的がびしっと定められている
ということがスタートになります。
次に
【2.ビジネスモデル】という少し組織と関係あるか
どうか疑問に思うかもしれません。
しかし超重要でございます。
ビジネスモデルというのは、
言葉を変えると「儲かるしくみ」です。
もう少し平たい言葉を使うと、
・何を売ってお金をいただいているのか?
・どんなサービスを提供してお金をいただいているのか?
・何を製造してお金をいただいているのか?
ということです。
このビジネスモデルというものが、
健全に回っている状態だと、
社員がやるべきことを一生懸命
実行することで売上があがり、利益が出て、
給料として分配され、会社は成長していく。
というプラスのサイクルが回ります。
しかし、ビジネスモデルが、
すでに少し時代遅れになってしまって
いると簡単ではありません。
働いている社員の誰もが、
何をどうしたら収益があがるのか?
というメカニズムが理解できていないのです。
ある種、職人的勘をもとに、
収益を作れる人もいるけれど、
多くの部署は目標未達を繰り返してしまう。
これは、
目標としている水準が
現行のビジネスモデルからすると
高過ぎるということです。
理念を実現するために
実行するビジネスモデル。
このビジネスモデルが健全であれば、
社員からするとやったらやった分だけ
成果が出るということを経験できるため、
働く喜びを得られやすいことになります。
誰だって、
自分が一生懸命やった仕事が
「何の意味があったのだろう」
なんて思いたくないわけです。
「あ~今日もいい仕事したなぁ」
という毎日が送りたいのです。
そういう意味で、
この不景気な現代ビジネスモデルの
見直しが必要な会社は多いように
感じています。
少し長くなってしまいましたが、
今日は【2.ビジネスモデル】まで解説を
進めました。
次回は【3.採用】です。
就活生がよく陥ってしまう罠でも
あるのですけれど、
就職活動をしている時に、
自分が志望する会社の何を見ればいいか?
というと、
「会社が今後どのようになっていくのか?」
ということです。
いくら公表されている売上や利益が
素晴らしくて、やっている事業も
自分がぜひ携わりたいと思う事業
だったとしても、
それってすべてデータが確定した時点の
過去のことですからね。
就活生が入社をするのは、
少なくとも半年以上先の未来。
そして入社した時点でOKという
ものではなく、
入社してから40年後の未来まで
行動を共にするわけですから、
未来を見るべきなのです。
企業側も、
採用の時に、
自社が今後どのようになっていくのか?
という理念から紐づいたビジョンを元に
語ることができ、
そして、もう少し突っ込んで言えば、
その想定する未来で活躍できるであろう
求める人材に響くようなメッセージを
採用の中で届ける必要があります。
そのメッセージを見て、
「よし!自分はその未来を実現するために、
これからの40年間を御社と共にします!」
と言ってもらえるほどのメッセージで
ある必要があります。
そして、それはただの理想論では
すぐに転職されていますので、
ビジネスモデルという骨を伴っての
メッセージになるのです。
そして、
【4.教育】
ここまでが一気通貫になっていれば、
理念に続くビジョンという道を
こんなビジネスモデルという武器を使って
進んでいこうとしていると、
採用でメッセージをしているはずです。
それだけ具体的に未来を描いている
ならば、おそらくは、理念に向かう途中途中で、
達成していかなければならない目標という
ものも想定することができます。
例えば、
ビジョンの説明の時に例えた、
幸せな家庭を実現するとしたら、
どんな目標が立てられるでしょうか?
ビジョンの説明の時に例えた
幸せな家庭のビジョンを要素に
抜き出すと以下のようになります。
・庭付き戸建ての白い洋風の家
・ガーデニングされたお庭
・複数人の子ども達
・アフタヌーンティーを楽しめるテラスあり
・アフタヌーンティーを楽しめる余裕あり
このビジョンを実現しようと思ったら、
まず庭付き戸建てを建てられるほどの
土地の取得が必要になります。
家を具体的に設計すると、
どれだけの広さの土地でないと
いけないかがわかりますし、
同時に建築費用の概算金額も
出すことができるでしょう。
複数人の子ども達ですが、
そのビジョンを一緒に達成したいと
考えるパートナーの存在が必要に
なります。
そして、テラスに、
アフタヌーンティーを楽しめるほどの
余裕ということですよね。
子ども達が走り回っているということは、
土日などの休日になるでしょう。
となると、土日が休みではない仕事だと
そのビジョンは叶えられません。
そうやっていくつものクリアしなければ
ならない目標が見えてくるのです。
話をビジネスに戻します。
目標が見えたら、
その目標を上手に達成できるように、
社員教育をしていかなければなりません。
成長してほしい方向性が定まって
いるのであれば、そういう風に育つ教育の
しくみが必要になりますよね。
これが教育まで一気通貫になっている
という状況です。
つまり、会社の用意するしくみに
対して真摯に向き合い日々の仕事や
自己努力を積み重ねることで、
活躍できる人材に成長することができる
道筋が立っているということです。
最後は
【5.評価のしくみ】
です。
評価制度って色々あって難しいですよね。
360度評価などの、上司、同僚、部下、
場合によってはお客様からの評価を総合的に
する場合もあるでしょうし、
特に制度がなければ、
直属の上司もしくは経営者が
業績となんとなくの雰囲気で評価する
という場合もあると思います。
ちょっと乱暴な言い方をしてしまうと、
評価制度の形は、別に何でもいいと思います。
乱暴すぎましたね。
何でもいいというのは少し語弊がありまして、
そのしくみが、目的を果たすことができていれば、
何でもいいという意味で使いました。
これまでの、
1.理念
2.ビジネスモデル
3.採用
4.教育
の流れを汲みますと、
理念やビジョンで定められた
会社の向かう方向や地点が明確であること。
その地点へ向かうために回し続ける
ビジネスモデルが武器としてしっかり
機能していること。
会社が今後進んでいった先に、
実現するであろう未来を一緒に作りたい、
そして、その資質のある人を採用
しているということ。
そして、
働いている社員が、思い描く未来の実現に
必要な知識や能力を磨いていける教育制度が
整っていること。
となります。
すると理想の組織に必要な評価のしくみが
備えていなければならない目的は見えてきますよね。
教育制度に乗っかって、
もっとも活躍できる人が
もっとも高い評価を得られる評価のしくみで
なければならないのです。
理念にそぐう動きをしている人よりも、
理念には反しているけれど、
収益をもたらすことができる人の方が
評価が高かったり、
誰よりも遅くまで働き続け、
サービス残業しまくる人の方が評価が
高かったり、
上層部の人間に可愛がられている人の
方が評価が高い状態では、
いくら教育制度を用意しても、
その方向に努力をする人なんて
生まれませんよね。
だって、その成長は評価につながらないの
ですから。
というわけでですね、
「求職者から憧れられて、社員が誇りに思う組織」
という理想の組織にしていくためには、
1.理念
2.ビジネスモデル
3.採用
4.教育
5.評価のしくみ
の5つが一気通貫になっている必要が
あるということですね。
肌感覚では、
今現在、この5つが一気通貫になっている企業様は
少ないように思います。
お金を出せばすぐに一気通貫にできる
というものではなく、組織文化や風土まで
見直していく壮大なプロジェクトに
なりますから、すぐにはできないのですよね。
だからこそ、
腕が鳴りますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。