採用職人の清田です。
「活躍ができるほどの能力がない社員に
自己努力をしてもらうにはどうしたらいいか?」
というご質問です。
まず採用の時点で、
自社で自己努力をしてくれる要素を持つ人を
採用する方が先決な気もしますが、
このご時世です。
自己努力が足りないから他の人材にチェンジ!
なんて簡単にできる時代ではありません。
そして、教育にこそ命を懸けている僕からすると
教育を頑張ってほしいという思いがありますので、
採用し、働き始めた結果、
活躍できるほどの能力がなく、
かつ、自己努力もされていない社員さんに
どんなアプローチをしていけばいいかを
お伝えしていきます。
まず、こちらは、
いつぞやの投稿でもふれさせていただきましたが、
人は、指示命令ではなく願望で動く
という基本原則があります。
自己努力をしてもらいたいと思ったら、
それを指示や命令によって行ってもらう
というのは、基本的にはできないと
思ってください。
圧倒的な力関係があれば可能ですが、
人から言われて嫌々して行う努力は
実を結ばず、実を結ばないから、
その本人も更に自己努力をしたくなくなる
という悪循環を招きます。
すなわち、
どうやって自己努力をすることを
本人様の願望に入れていくのか?
が焦点になります。
新入社員など、自分の実力が、
他の社員と比べてどの程度なのかを
理解できていない人に関しては、
意識を変えてあげるだけで、
自己努力が始まることがあります。
何のために自己努力をするのか?
ということです。
これを、先輩や上司として、
「自分の成績があがるから」
という心の床で自己努力を促しても、
それは見抜かれてしまいます。
直接的に伝わらなくても、
「何やらコントロールしようとしている」
ということには気づきます。
そのため、
ご本人が自己努力をする理由が、
ご本人のためであると心の底から思えている
という状況を自分に作るのが最初のステップに
なるかと思います。
京セラの名誉会長である
稲盛和夫氏はKDDIの前身の第二電電(DDI)
を創業しようと思ったときにご自分に
こう問いかけられたというのは有名な話です。
「動機善なりや、私心なかりしか」
いま、自分が行おうとしていることは、
100%動機善と言えるか?
自分のためではないと言い切れるのか?
とこんこんと自分に問うたそうです。
その結果、
動機善であり、私心はない。
と結論付けて第二電電を創業したと
そういうお話です。
別に創業の話をしているわけでは
ありませんが、人に何をアドバイスしようと
思っている時に、
「動機善なりや、私心なかりしか」
を自分に問うて、間違いなく相手のために
自分は発言をするんだ。
と言える状態であることが大切です。
ここがクリアできたら、
次は伝え方です。
活躍できるほどの能力がない社員に
自己努力をしてもらいたいと考えたときに、
効果的な伝え方は、
一言でいえば、
相手に相手の描きたい未来を妄想させる。
ということです。
例えば自分のパートナーが
もっとやせてくれたらいいのに
と思っている人が
「もっとやせたほうがいいよ。
この方法ってすごくいいみたいよ?」
と言ったらどうなりますかね?
もちろんやせてくれたら自分が嬉しいだと
それは自分の床からの発言ですので論外です。
でも、パートナーの健康を心から考えての
言葉だとしても、相手に伝わるのは、
「太っている自分はダメなんだ」
「なんでそんなこと言われないといけないの?」
と不満を持たれてしまうことでしょう。
では何と伝えましょうか?
例えばこんなのはいかがでしょうか?
パートナーがファッション雑誌を見ていて、
特定の服を見ていたとします。
そこで、
「えっ!その服めっちゃいいじゃん!
すごく似合うと思うからプレゼントするよ!
あっ、でも、その隣に並ぶ自分が
隣に並べるほどの体系をしていないからな、
よし!じゃあこの服を着たあなたの隣にいて
似合う自分になるためにトレーニングしようと
思うから一緒に付き合ってくれない?
そして目標達成したら、その記念に自分の似合う
服を買うから一緒におでかけしようよ」
ちょっと苦しいですかね(笑)
ちょっと苦しいかもしれないけど、
自分もちょっと痩せないと
プレゼントされた服は着こなせないことが
わかっていて、でもやせるきっかけを
作れずにいて、欲しいけどな、でもな、
という時に、自分のパートナーが
自分にそぐう体系になるために自己努力する
から一緒にやろうと言ってくれているのです。
お互いが今よりも良いスタイルになって、
素敵な服をきておでかけしているシーンを
思い浮かべると思いませんか?
そして、そのシーンを実現したいと思ったら、
一緒にダイエットチャレンジしてみようと
思ってくれるかもしれません。
もちろん、
人を変えることはできませんので、
変わりたいと思ってもらえるかどうかは、
言ってみないとわかりませんけどね、
最初の「もうちょっとやせた方がいい」
と言われるよりはよっぽど願望に入りやすい。
そう思っていただけると例として合格かな?
と思います。
大分たとえ話が長引いて、
ビジネスと離れてしまいましたが、
新入社員など、自分の実力が、
他の社員と比べてどの程度なのかを
理解できていない人に関しては、
「こちらのして欲しいことが、
相手の願望に合致するように
伝えて、成功イメージを妄想してもらう」
ということが出来れば
自己努力をはじめてくれる可能性が
高まります。
その自己努力を継続させていくためには、
行動科学マネジメントの石田さんが提唱
されている続ける技術を活用すると良いと思います。
ではここからは
既に社会にでて自分の実力が、
他の社員と比べても高くないと思ってしまい、
自己努力をしても無駄と思っている社員に
対してどのようなアプローチをしたらいいかに
ふれていきます。
こういう社員はどうして、
「自己努力をしても無駄」だと思ってしまうか?
これを知ることが解決のポイントになります。
多くの場合こういう社員が、
最も恐れていることは
「自分が最大限努力をしても、
それでも他の人よりも劣っている
という事実と向き合うこと」
だったりします。
もっと言うと、
「自分ができないのは努力をしていない
からだ。自分はやればできる子なんだ。」
という逃げ道を残しておきたい。
という心理があります。
残酷な言い方をすると、
「やればできる子はやらない子。
やる子がえらい。」
ということなんですけどね
まぁそれはさておきです。
ここでもう一段階、
思考の奥に入っていきます。
どうして、逃げ道を残しておきたい。
と思うのでしょうかね?
「そりゃ当然じゃない?」
と思う人もいるかもしれませんが、
その「なぜ?」に答えられますか?
どうして、逃げ道を残しておきたいと
思うのか?
「もし、どんなに努力をしても、
自分は成長できない。ということが
明らかになり、それが自分の身の回りの
人に知れてしまったら、
自分は誰からも必要とされない人間に
なってしまうかもしれない。
それだけは絶対に嫌だ。」
ここなんですよ。
本当に恐れているのは、
「誰からも必要とされなくなること」
なんです。
そして、本人はその恐れの根源に
気がついていないことがほとんどです。
なぜ自己努力をしないのか?
の原因がわかれば、話は簡単です。
いや、実際簡単ではありますが、
すんごく大変でもあります。
必要なのは愛ある支援なのです。
成長してほしと願う社員に対して、
私は、あなたは絶対できるようになると
思っている。ただ残念なことに、
努力を怠っているためにその芽が
まだ育っていない。
努力をし始めても、結果はすぐには
見えてこないと思う。でも絶対に実る!
それは確信がある。
上手くいかないことが続くと、
自分の可能性に疑問を持ってしまう
こともあると思うけど、その都度
私は、あなたは絶対できると
言い続けるよ。
一緒に成長していこう。
そして、成長したら、
あなたには、こんなことを任せたいと
思っている。
想像してみて、こんなシチュエーションで、
あなたは、こんな風に活躍している姿を
今はリアルに想像できないかもしれないけど、
私にはその姿見える。
その姿に成れた時に、きっとあなたはこう思う。
「もっと早く努力を始めていればよかった」と
だからすぐ始めよう。
一日でも早く、あなたの活躍する姿
あなた自身が体験できるように。
いかがでしょうか?
現実はそんなに単純じゃないよと
思われる方もいるかもしれません。
でも、自分がダメだと思っているときに、
自分以上に自分を信じてくれて、
隣で一緒に頑張ろうとしてくれる人がいたら、
頑張ろうって思いませんか?
人はこの人生において、
心の底から信頼しあえる人を探して
生きていると思っています。
その人の期待にこたえたい。
その人のために頑張りたい。
それは自己努力をする動機になりえます。