採用職人の知恵袋

飲食店でパート・アルバイトの採用が年々厳しくなってきています

採用職人の清田です。

今回のご質問は、

「飲食店でパート・アルバイトの採用が年々厳しくなってきています」

というものです。

地域差ももちろんあるでしょうけれど、

今、パート・アルバイトの募集も

厳しくなっていっているでしょうね。

問題を解決しようと思ったら、

まず、その問題の本質に目を向けるといいと、

以前どこかで教わった気がしますので、

考えていきたいと思います。

まず、

パート・アルバイトの募集を出しても、

人が集まりづらくなってきている

ということは、

①求職者そのものの人口が減っている

②求職者の嗜好が変わった

③募集の口が広がっていて競争倍率が高まった

のような変化が起きていると

想像できます。

①人口減少の影響は、

本当に徐々にとなりますので、

これを感じているというのは

考えづらいです。

新卒採用だと、

その一学年を対象とするので、

人口減少の変化は比較的感じやすい

条件にあると思うのですが、

パート・アルバイトのような

幅広い年齢の方が対象のもので

人口減少を感じられるほどには

減っているとは思えません。

②求職者の嗜好の変化も

少し考えづらいと思っています。

飲食業という業種を考えた時に、

ここ数年でイメージの急激な悪化が

あったか?と言われると、

そう耳にしません。

むしろここ20年というスパンで見ると、

飲食業のイメージが非常に落ちたと

言える出来事はいくつか思い当たります。

でも、それはここ数年というものでは

ありません。

順当にいけば、

③募集の口が広がっていて競争倍率が高まった

でしょうね。

では、募集の口が広がる理由とは

何でしょうか?

ここ数年、ずっと悪化し続けて

推移しているものとは?

強力に思い当たるものがありますね。

景気動向です。

2014年の消費増税で

消費税が8%になり、

2019年の消費増税で

消費税が10%になりました。

もう100%これのせい

といわんばかりに、

消費増税をしてから景気が

ガクンと冷え込みました。

景気が冷え込むということは、

言葉を変えると、人がお金を

使わなくなったということです。

企業の側からすると、

儲かりづらくなってきた

と言えます。

企業としては、

売上が落ちるのは仕方ないとしても、

なんとか利益は確保したい

そう考えます。

利益 = 売上 - 原価 - 経費

人がお金を使わなくなるということで、

売上の減少は止められません。

売上が減少していく中で、

利益を残すことを考えると、

原価と経費を削減することになります。

原価というものは、

在庫のあるビジネスだけに存在するものです。

在庫のあるビジネスとなると、

まぁまぁ規模がないとできません。

規模のある企業が原価を下げようとすると、

その企業に何かを卸している下請け企業が

泣くことになります。

下請け企業も売上があげづらいので、

値下げ要求を跳ね除けて取引中止を

言い渡されるくらいならと、

泣く泣く値下げ要求を受けることになります。

経費を下げようとすると、

社員が泣きます。

今まで使えていた経費が使えなくなる。

でも売り上げは最大限上げるように

というのは従業員からすると、

より売りづらくなる状態と言えます。

さらにそれだけならば可愛いものですが、

メインは人件費のカットです。

経営をしていると

理解しやすいのですが、

経費に占める人件費の割合の大きいこと大きいこと

大きな経費を削る方が経費削減の効果が

高くなりますので、

人件費をどうにか下げられないか?

と考えるようになります。

そこで企業は考えてしまったのですよね。

短時間正社員ってどうだろうか?と

育児などでフルタイムで働くことが

できない女性や、定年退職後のシニアが

メインの対象ですけれど、

ここに対して、

短時間の正社員という名の

アルバイトを使い始めた会社が

たくさんあります。

これにより、

これまでパート・アルバイトに従事していた

人からすると自分の働く先の選択肢が

急増することになります。

同じアルバイト代だとして、

近所の飲食店でアルバイトするのと、

例えばトヨタでアルバイトもとい短時間正社員

として働くのだったら、人はどちらを

選ぶでしょうか?

当然条件によって左右されるとは

思いますけれど、同条件でもトヨタで

働きたいという方の方が多いのでは

ないでしょうか?

これ企業からすると、

大変ありがたい話です。

企業は忙しさの波があったときに、

最も忙しい時をベースに社員を雇用するものです。

すると、忙しさの波が引いている時には、

大して仕事はなく、収益を生み出す活動を

する余地が少ないのに、忙しい時と

同じ給料を払うことになります。

これ当たり前のことなんですけれど、

もし、短時間正社員で時給換算での

給与で済むとしたら、

忙しい時には支払う給与が増えますが利益も出ている。

忙しくない時には支払う給与を抑えられる。

となります。

企業はとってもハッピー

求職者としても

普段なら働くこともできない企業で

短時間勤務で働くことができますし、

フルタイムで働ける状況になったら、

そのままトヨタで雇ってもらえないだろうか?

という期待感もあります。

短期的に見たら

Win-Winに見えますけどね。

これの大きな問題点は、

採用とは直接的には関係ないので、

ここまでにしておきます。

結局は、これまでパート・アルバイトを

探していた人が、短時間正社員という

魅力的な選択肢が増え、

パート・アルバイトの募集に応募しなくなる

という現象を引き起こします。

これが、飲食店でパート・アルバイトが

採用しづらくなった理由の一つだと思っています。

では、ここからはどうやって手を打てばいい?

ということを書いていきます。

競争相手がパート・アルバイト募集者ではなく、

(短時間だけど)正社員募集者が加わります。

正社員募集は、

一人採用することに対する金銭的影響が大きいので、

パート・アルバイトの募集よりも、多くの予算を

割けるという企業は多いと思います。

そうなると、

パート・アルバイトの募集市場は、

募集PRにかける予算平均が高まる。

広告合戦になったら、

小さな飲食店では太刀打ちできないので、

かなり媒体を絞って広告を出すということ、

そして、広告に載せるメッセージは、

仕事内容、条件だけでなく、

「私はどうしてその仕事をした方がいいの?」

という求職者の潜在的な働くニーズを

満たしてあげられるようにも工夫を

した方がいいですよね。

広告媒体の選定は、

自店の場所によってかなり地域差が

出てくると思います。

なので、

今現在一人もパート・アルバイトの方が

在籍しておられない店舗だと使える手では

ないのですが、

もし複数人いらっしゃるのであれば、

その方々に日ごろ目を通す媒体の確認は

して方がいいでしょうね。

新聞の折り込みチラシなのか、

ローカルのアルバイト情報誌なのか、

ネットサーフィンをよくされるのか、

Youtubeを見ることが多いのか、

はたまたTwitterを見ているのか、

Instagramということもあるでしょう。

とにかく、

今働いている人と親和して、

一緒に働いてくれることを考えるのであれば、

今働いている人と近いライフスタイルで

目にする可能性の高い媒体を広告媒体として

選定をした方が良いかと思います。

最近リファラルという言葉も

一周したような感覚もありますけれど、

今働いてる方々に対して、

一緒に働く人を紹介してもらい、

広告掲載料の代わりとして、

紹介手数料として、

時給アップだったり、

一時金の紹介手数料をお支払いする

というのも有効です。

リファラルで入ってきてくれると、

人間関係の構築がゼロからではない

ことがありますので、定着にも有効かと

思います。

「私はどうしてその仕事をした方がいいの?」

に関しましては、

まぁ頭を使って考える以外の方法は

ないですよね。

コンサルティングしている時に、

「そこのノウハウは公開しないんですね。」

と言われることがあるのですが、

自分自身、どうしてその解答にたどり着いたのかが

言語化できていないので、

「隠しているつもりがあるのではないのですけどね」

としかお応えできないのですよね。

月別アーカイブ

アーカイブ
最近の記事 おすすめ記事
  1. 登録されている記事はございません。

カテゴリー検索

PAGE TOP