採用職人の清田です。
今日のご質問は、
「求める人物像と違う人、基準を満たしていない人を採用してもいいか?」
というものです。
なるほど、
こちらの回答は、求める人物像をどこまで
定めているのか?
そしてその基準はどの程度のレベル感なのか?
(高みを目指した基準、最低限の基準等)
基準を満たしていないとは、
どの程度満たしていないのか?
はたまた、他に活躍できそうな光る部分は
確認できるのか?
と言った様々な要因の組み合わせによって、
回答が変わるところであるので、
質問者様が気にされている「営業」に特化して
回答をさせていただきます。
少し補足をします。
営業といっても、営業の種類も
様々あるわけですが、
トップセールスになれる人は、
それまでの人生の中で、
その片鱗を身に付けてきていると、
そして、その片鱗は社会に出てから
身に付けるのは大変困難だという認識が
社会にはあったりします。
それならば、
営業に採用するならば、
採用時点で振り分けるしかないのか?
教育は無力なのか?
これが今日の回答の争点となります。
まずトップセールスとはどんな人なのか?
ということの定義から始めたいと思います。
トップセールス
読んで字のごとく、その会社において、
トップの成果をつくれる人。
と取れるかもしれません。
しかし、会社によってトップの基準も
まちまちですので、
A社の二番手の営業マンと、
B社のトップセールスが同じものを販売して、
A社の営業マンの方が高い成果を作る
ということもあります。
考えるにあたって、
これは不確かな基準なので
もう少し別の定義をします。
トップセールスとは、
高い成果を作り続けられる人
とします。
成果をつくるためには、
1.見込み客を集める
2.見込み客をその気にさせる
3.販売し顧客にする
4.顧客から別の見込み客の紹介をいただく
の4つの段階を経ると良いと言われています。
この4つの段階を
独力で短期間でやってのけるのが
トップセールスだと僕は思っています。
つまり、
広告や誰かの紹介、飛び込みなど、
何かの手法によって、
見込み客候補と面会をします。
挨拶の瞬間から自分を気に入ってもらい、
トークでは指導的立ち位置になり、
この人の言うことは聴いた方がいいと
思ってもらえる状態になります。
そこで、「ちょうどよかった!」と
見込み客が思ってしまうような話題に
つながり、購買に至る。
そして、その顧客が買ったものに満足
できるように、使い方などのフォローを
しっかりとします。
顧客は買ったものや目の前の営業マンに
大変満足をして、その感動を共有したいと
紹介に協力をしてくれる。
これを独力で短期間でやってのけるのが
トップセールスということです。
所説によるとですね、
この条件を満たすトップセールスは
だいたい4000人に一人くらいしか
存在しないそうです。
3999人には到達できない領域に
たどり着いた人がトップセールスなのだと
正直なところ、
このレベルが求める人物像という
ことでしたら、
教育の拡充よりも、採用に力を入れて、
その素養のある人を採用できるしくみを
作りましょう。
と提案してしまいます。
あくまで、
トップセールスの採用が目的であれば
と条件付けしておきます。
トップセールスでなくても、
会社の中で高い業績を上げ続けることが
できる人を採用できれば、
上記の条件を満たしていなくても良い。
となると話は変わります。
話の区切りがいいので、
次回に回します。
最後までお読みいただきありがとうございました。
フォローしてくださると、励みになります。
前回からの続きで、
トップセールスになれる人と考えたならば、
教育ではなく、採用に力を入れるべきだと
お伝えし、
ただ、それはあくまで、
トップセールスの採用が目的であれば
と条件付けしておきまして、
トップセールスでなくても、
会社の中で高い業績を上げ続けることが
できる人を採用できれば、
上記の条件を満たしていなくても良い。
となると話は変わります。
教育の領域で活躍できる営業マンを
育成していけるというお話を
ここから書いていきます。
僕の中の勝手に師匠制度に存在されている
石原明先生の言葉を借りますと、
「営業マンには、
“3.販売し顧客にする”だけに専念してもらって、
他のステップは会社のしくみでできるように
した方がいいね。」
ということです。
どういうことかと言いますと、
会社が永続的に発展していくことを
考えたら、
必要なだけの売上を得る
というだけでは不十分です。
できる限り、
お客様も選んで、
お付き合いしたいお客様と
関係を継続したいと考えた方が
よいです。
売れば売るほど、
やっかいなことを言われ、
値下げの要求をされてとなったら、
その対応だけで、
莫大な労力がかかってしまいます。
対応する社員も辞めたくなって
しまいます。
できる限りいいお客さんと
お付き合いがしたいです。
と考えた時に、
営業マンが、いいお客様でないならば、
いっそ断ってしまえ!が
できるほど、
「1.見込み客を集める」
を充実させておきたいところです。
集客を営業マンが行い、
さらに、そこにその気にさせ、
販売していく
ということを考えると、
ただでさえ難しい集客なのに、
一度きっかけを手に入れた見込み客を
みすみす自分から断るなんて
できない。
と考えてしまいます。
そして自分の売上を考えると、
その後のフォローの大変さよりも、
今の売上が大切に見えてもきます。
だから、
本当はお付き合いしたくないお客様に
販売してしまうということが起こります。
1.見込み客を集める
2.見込み客をその気にさせる
3.販売し顧客にする
4.顧客から別の見込み客の紹介をいただく
のステップの1、2、4を
営業マンではなく、会社がしくみとして
持つことができれば、
営業マンは販売することに専念できますし、
いいお客様を選別しながら販売することも
できるかと思います。
何より、
トップセールスに会社の売上を
依存していて、
会社のしくみではなく、
そのトップセールスのスキルに
頼り切った経営をしていて、
もし、そのトップセールスが
ヘッドハンティングでもされたら
どうなってしまうでしょう?
倒産の危機になるかもしれません。
だから、
会社のしくみで1、2、4を行うのです。
すると、営業マンはこの会社だから
成果が上げられるとなり、
辞めたくない理由にもなりますし、
4000人に一人の逸材でなくても、
販売に特化して教育をしていけば、
1~4全てを教え込むのと比べて、
遥かに多くの営業マンを売れる営業に
していくことができるでしょう。
採用職人の回答としては、
採用か教育か
という二軸ではなく、
ビジネスモデルも含めて考えると
採用時点で求める人物像の要件に
満ちていなくても、
教育によって、会社に収益をもたらして
くれる活躍する営業マンへと成長して
いってもらうことは可能だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。